前編

様々なニーズに丁寧に応え続け成長を遂げる。

第7回放送

株式会社アーバンホーム 取締役

米田早織さん

Profile

よねだ・さおり/1985年、石川県河北郡内灘町生まれ。2007年金沢工業大学工学部経営情報工学科を卒業し、富士通北陸システムズに就職。そこで、システムエンジニアとして7年間東京で勤務。その後2014年にアーバンホームに入社。店舗営業や企画業務などを経て、現在は取締役として採用業務や社内の業務改善に関する仕事に携わっている。

アーバンホームWebサイト
お部屋探しサイト

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Tad こんにちは、Tad Mitaniです。
原田 原田幸子です。
Tad 今回で7回目の放送になりますが、もう一度番組の趣旨をご説明しようかなと思います。
原田 そうですね。
Tad 現在石川県には15,000社を超える企業が本社を構えているそうです。つまり、石川県には15,000人の社長様がいらっしゃるということになります。本当に色々な、社長様や経営者の方々がいらっしゃいます。
原田 ええ。
Tad この番組は、石川県内の様々な企業の経営者をお招きして、じっくりと会社や事業についてのお話を聞いていきましょう、という番組でございます。
原田 意外な素顔が垣間見えるようなお話も聞けたりしますよね。
Tad そうですね。楽しみでございます。今回のゲストは・・
原田 あ、ちょっとMitaniさん、その前によろしいですか。この番組では毎回メッセージを募集していますが、なんと今回、メッセージが届きました。
Tad ありがとうございます。
原田 嬉しいですね。ラジオネーム・ティーグルさんから頂いています。「Tad Mitaniさん、原田さん、こんにちは。近年活気づく石川、金沢を盛り上げてくださる企業さんの直接のお話を聞ける内容はとても興味深かったです。これからの放送も楽しみにしています。また、Mitani社長の選曲も機会があれば聞いてみたいです」。
Tad 僕はまあ・・あの、確かに社長みたいなんですけれど・・。

原田 「みたいなんですけれど」。
Tad まあちょっとあんまりね、僕の話はさておき、ってことで(笑)
原田 またさておかれてしまいましたね、今回も。
Tad いつか時間があったら話をしますので。
原田 それも聞きましたよ。
Tad (笑)。では早速ゲストをお迎えしたいと思います! 今回のゲストは、株式会社アーバンホーム取締役の米田早織さんです。こんにちは。
米田 こんにちは。
Tad アーバンホームというと、「不動産の関係の会社かな」というふうに皆さんも漠然とイメージを持たれていると思います。街中には本当にたくさん看板を見かけます。
原田 そうですよね。
Tad 「u」と、「n」か「h」を使っているようなロゴマーク。
原田 私も気になっていました。「アーバンホーム」でしたら、「u」「h」かなと思うのですけれど、「n」のように見えますよね。
米田 そうですね、皆さんから、なんで「ホーム」なのに「n」なのって言われます。これはロゴとして作っていまして、創業当時からもともとあるもので、アーバンホームの「h」なんです。
原田 あれは「h」なんですね。
米田 はい。あれは「h」ということで定義づけられております(笑)。「u」と「h」というふうに皆さん認識していただけたらと思います(笑)
Tad 緑色の「uh」のロゴマークを本当にたくさん見ますよね。
米田 どうみても、どうみても「un」なんですけれども。「h」と見て頂けたら。
原田 ではこれから知り合いに聞かれたら、あれは「h」なんだって、と言っておきます(笑)
米田 お願いします(笑)
石川県金沢市内にあるアーバーンホーム本社。
原田 「株式会社アーバンホーム」は、創業1981年、事業内容としては賃貸物件の仲介・管理、不動産の売買など行い、企業理念を「安心してお部屋探しができる信頼のブランドを目指します」とされています。
Tad 先ほど、看板をよく見かけるというお話をさせて頂いていましたけども、本当に至るところでお見かけします。今はどのくらいの管理物件数になるのでしょうか?
米田 不動産会社で賃貸アパート、マンションのお部屋探しのときによく用いられる数の言い方として、管理戸数というものがあります。当社がお部屋を管理させていただいている戸数、部屋の数は、今で約18,000室あります。
Tad 18,000。大きい数ですね。
原田 それはかなり多い方ですか? 業界のなかでは。
米田 そうですね、北陸3県にある不動産会社のなかでは今一番多い管理戸数ではないかと、実績をいただいております。
Tad その賃貸物件の仲介や管理をされるというのは、具体的にはその市民の生活者の感覚からすると、どのようなお仕事をされていると表現できますか。
米田 皆さんも街中にアパートやマンションを見かけると思います。仲介のお仕事は、お客さまがお部屋を探しに店舗にお越しになられて、お部屋を紹介するということになります。石川県にこれから住む転勤者の方や学生さんが、住まい探しに来られることもそうです。
管理のお仕事は、そのお客様が退去される日まで何かお困りごとがあればそれをお受けしたり、建物は年数が経てば経年劣化もしてきますので、オーナー様からお預かりしてるアパート・マンションをしっかり管理するために、メンテナンスをしたり、修理をしたりということをさせて頂いています。
Tad なるほど。一般的に不動産会社といいますと、イメージとしては窓ガラスにいっぱい物件情報や間取り図が紙で貼ってあって、ガラガラっとドアを開けて入っていくイメージです。
原田 実は私、結構入りにくいんです。チラシが貼ってあるので店内がよく見えなくて。それで入るとちょっと暗い感じもして。ちょっと奥の方に男性が座っていて、「あの・・」と声をかけるイメージです。
Tad そうですよね。ところがアーバンホームの店舗に、そういう紙が窓に貼ってあるのをあんまり見かけません。全く無いんでしょうか?
米田 そうですね。色々なスタイルの不動産会社が多いんですけれど、弊社の場合は特にポスティングというか、物件資料を大々的に店舗に貼るのではなく、ご来店頂いたら気持ちのいい空間で接客して、まずはスタッフとお話し頂いて、そこから条件を聞いて資料をお出しするという、そういったスタイルで行っています。
原田 ホームページを拝見したら、店舗が白いカフェみたいな空間なんです。女性も「行きたいな」と思うような入りやすさは、狙いとしてはあるんですか?
米田 そうですね。弊社の社長も女性で、専務も女性で、従業員の7割が女性で。店舗づくりもそうなんですけれども、女性の目線で入りやすく、安心してお部屋探しができるような空間でお出迎えしようということで、白を基調にすると広々としたイメージを持っていただけるかなと思いました。
Tad カフェみたいな素敵な空間ですね。私も実はつい最近下見にご本社にお伺いしてまいりましたが、とっても清潔感があって爽やかで、何か女性らしい柔らかさみたいなものも感じる、そういうお店でありました。
原田 そういうお店から紹介して頂くお部屋だから、きっとすごく安心できるような気持ちになれますね。
女性も入りやすく安心できる空間づくりを心掛けている。
Tad 今、管理戸数が18,000件で、北陸ナンバーワンということですけれども、会社の成り立ちと申しますか、どのような経緯で大きくなられてきたんでしょうか。
米田 私が生まれる前の話ですけれども、元々アーバンホームという会社は今の本社がある場所ではなく、旧西金沢郵便局の一室で、机一つ黒電話一台、管理戸数やお預かりしているアパートの数もゼロから始まったと聞いています。当時の社員数も3名からのスタートでした。そこからどうやってここまで多くの管理戸数を獲得していったかですが、当時、まずは売る商品、ご提案できるものがないと仕事ができないので、DM(ダイレクトメール)に一枚一枚切手を貼って、アパート経営をされているご自宅を回って、地道にコツコツと、本当に泥臭いですけれども、少しずつお部屋を預からせていただいて、そこに「住みたい」というお客様にご入居頂く、という流れで進めていきました。エリアや場所、お客さまによっては色々で様々なニーズがあり、社会人の方でしたら「ひとり暮らしで住みやすいお部屋」、ファミリーの方でしたら「キッチン周りが使いやすい」ですとか、色々なニーズを入居者様からお部屋探しの際に頂いたものをオーナー様にお願いして新しいアパートやマンションを建てて頂く、というような流れでした。ニーズにあったものを提案して、オーナー様につくって頂き、そのつくったものをまたお客さまに選んで頂くというようなことを積み重ねて、少しずつ信頼を頂きまして、それと同時に社員も増えていき、店舗も一時期19店舗まで増えました。
創業当時の本社外観(1981年)
Tad 最初、管理戸数がゼロの状態から一軒一軒オーナーさんに訪問したり、ダイレクトメールを送らせてもらったりということで、だんだんそうやって接点ができたのはいいけれど、課題をオーナーもお持ちだったかと思います。それを解決していくということであったり、入居される方にとってのニーズをひとつひとつ丁寧に解決されてきたということですよね。
米田 そうですね。本当にこの業界は答えというものがなく、アパートも人間と同じくらい色々な条件があります。建てられているエリア、住まれる方、一見同じような物件でも方角によって日光のはいり方も違います。毎回毎回「課題」と言いますか、色々な条件の一つひとつにストーリーがあると思います。お客さまも毎回違いますし、そこに住む人も違いますし、物件一つひとつも異なる性質を持っているものなので、日々日々気づきを与えてくれるお仕事だなと思っています。
原田 そういう意味では時代に合わせてニーズが変わってきますよね。
Tad そうですよね。
原田 「こんなふうなものが欲しい」ですとか、「こういう部屋ならいいのにな」ですとか、流行もあるでしょうし。
米田 創業当時にDMだとかで営業をかけていた時に建てた物件は、今の時代だと、ちょっと「やっぱり古臭いな」と思うようなものもあります。例えば今はトイレだと洋式が多いのですが、そこに「温水式専用便座が付いているものがいい」というお客様が多かったりします。あと、当時インターネットは無かったと思いますが、今はインターネット無料物件ですね。
Tad もう必須みたいになってますもんね。
米田 はい。特に学生さんはそこがまず前提の条件として入ってきたりもするので、本当に時代の流れとともにニーズも変わってきますし、それに対応できるようなお部屋にリノベーションしたりですとか、オーナー様にその設備を付けて頂いたりですとか、そういったことも私たちの大事なお仕事の一つになっています。
Tad リノベーションというと、建物が古くなってきて、その空間の価値を更新するように、新しいシステムを入れたり新しい設備を入れたり、内装を新しくしながらも新しい役割を部屋の中に与えていくということですけれども、アーバンホームでもかなりの物件数のリノベーションに携わられているのでしょうか?
米田 そうですね。築20年から25年ぐらいの物件が対象になってくるのですが、そのくらいの時期に建てて頂いたオーナー様がたくさんいらっしゃいますので、どうしても部屋を探しに来る人の数よりも、お部屋の数の方が余るような時代になってきています。それにやはり手を入れないと、お客さまに選んで頂けないという現状があります。ですので、例えば大規模なリノベーションが難しくても、お部屋の壁のクロス一面をアクセントクロスにしたり、畳のお部屋をフローリングに替えたりといった工事はそんなに難しい工事ではないので、そういったことを取り入れながら、今のニーズに合うような形でリノベーションをするケースがここ数年ものすごく多いです。
Tad 築20年の物件のオーナー様が建てられた建物が、今ちょうどリノベーションの時期なのですね。
米田 そうですね。そのシーズンを迎える、節目に来ているのかなと思います。
Tad 時代時代に合わせてお客さまのニーズ、入居者さまのニーズに合わせて、空間をつくり替えていくということをされているわけですね。

ゲストが選んだ今回の一曲

アンリ

「I’ll be there with you 溢れる想い」

「弊社は2012年に本社が移転オープンしておりまして、元々西金沢駅の目の前の場所にあったのですが、そこから今の泉本町というところに移転をした際に、プロモーションビデオを作りまして、そのプロモーションビデオのBGMで使用した曲です。すごく懐かしさを思い出すということと、この曲の歌詞を聴いていると、何か新しいことを始めるときにすごく勇気がもらえる一曲で、お気に入りなのでセレクトしました」

トークを終えてAfter talk

Tad 今回はゲストに株式会社アーバンホーム取締役の米田早織さんをお迎えしましたけれども、いかがでしたか。
原田 お部屋選びをする予定はないのですが、したくなってきました。女性目線で提案してくださっているというのを聞くと、本当に一個人として、どんなお部屋があるのかなとわくわくするような気分にさせられました。
Tad ご提案してもらいたい、そんな気持ちになりましたね。
原田 Mitaniさんは何か気づいたこと、学んだことありましたか。
Tad 企業にとって、「お客さま」という言葉は難しい言葉だと思うのですが、「お客さま」というと消費者というイメージを持ってしまいがちだと思うんです。アーバンホームは、アパートを建てたオーナー様もお客さまだと思っているし、入居者の方もお客さまだと思っているということでした。創業当時、オーナー様は、おそらく自分の物件に入居された入居者の方を集めてくる術があまりなかったところから始まっているし、一方で入居者の方は自分のニーズに合った物件がどこにあるのかを知らない、知る術がなかったと。一つひとつのお部屋にストーリーがあると米田さんがおっしゃられていましたけれども、両者のニーズを一件一件丁寧に満たしてきたその積み重ねこそが、アーバンホーム自身のストーリーを作り上げたのかなと、そんな気付きを頂きました。ありがとうございます。

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