前編

地道にコミュニケーションを重ね信頼関係を築く。

第106回放送放送

野村證券株式会社 金沢支店長

西丸 禎文さん

Profile

さいまる・よしふみ/1969年、福島県福島市生まれ。神奈川大学経済学部を卒業後、1992年、『野村證券株式会社』(創業は1925年。金沢支店は1926年に全国6番目の出張所として開設)に入社。最初の配属先は梅田支店、後に高崎、神戸、鹿児島、松山勤務を経て、2012年、岡崎支店長に就任。本店勤務を経て2020年、金沢支店長に就任。

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Tad 今回のゲストは『野村證券株式会社』金沢支店長、西丸禎文さんです。これまでにたくさん転勤をなさってこられたのですね。
西丸 2022年で勤続30年目になりますが、平均しますと1店舗あたり2.5年くらいのイメージになります。
Tad いろいろな地域でご活躍されてこられたんですね。
原田 東北のお生まれですが、そちらでの勤務はないんですね。
西丸 自分の生まれ育った土地で仕事をしたいという気持ちは今もありまして、その夢や希望はまだ捨てていないのですが、今働いている金沢は本当にいい街で、来てよかったと心から思っております。
2020年4月金沢支店着任時、令和2年入社社員と玉川公園でお花見をした際の一枚。
Tad ありがとうございます。何だかうれしいですね。金沢支店は意外なことに『野村證券』の創業の1年後に開設されているということで、結構歴史の古い支店なんですね。
西丸 当時の金沢は当社にとって、例えば大阪、名古屋、福岡、仙台、そういった主要都市に匹敵するほどの立ち位置でしたので、6番目の支店を設けたということでした。金沢のポテンシャルがあってこその歴史ある支店だと思います。
野村證券金沢支店の外観。
Tad 長年のお客様もいらっしゃるということなんでしょうか?
西丸 そうですね。
Tad 何世代にもわたってということなんですね。ところで、証券会社というと、なんとなく「こういうことをやっているのかな」というイメージはあるんですが、あまりわからない部分や意外なこともあるのではないかと思います。今回は『野村證券』のお仕事の内容をおうかがいできればと思っています。
西丸 証券会社と言いますと、まずは商品が先に来て、株式市場も現在は足元が好調なんですが、株式や投資信託、あるいは債券、こういう商品を販売するというイメージが強いのではないかと思います。それはお金を増やしたい人には適しているサービスなんですが、そうとは限らない部分があるんです。お金を増やさなくてもきちんと守っていく、あるいは次の世代に重要な資産を継承していく。あるいは、すでにある資産をうまく活用して価値として使っていくというような、いろんなニーズがあります。それに対応できるようなサービスをご用意しています。例えば保険、遺言信託、あるいはグループ会社を通じて不動産、法人のお客様であれば航空機リース、会社の発展や次への継承ということでM&A、これから資産を増やしていきたいというお客様には、時間を味方につけてコツコツと積み立てをしていくような投資、会社の従業員の福利厚生の一環としてのNISAを活用した積み立ての案内、株式の上場など多種多様なお手伝いをさせていただいています。
Tad 非常に多岐にわたりますね。
原田 そうですよね。「こんなことまでされているのか」と思いました。
Tad 個人のお客様もいれば企業のお客様もいらっしゃいます。お金を増やすだけではなくて、お金を次の世代へ受け継いでいく、活用していくということを本当に幅広くサービスとして提供なさっているということですね。石川県でもつい最近上場された会社がありました。そういった企業が上場するようなタイミングも『野村證券』が活躍されるフィールドなんでしょうか。
西丸 地元の企業であればなおさらなんですが、上場の機会にいろんな企業と触れていただいて資産を増やしていただくような、資本市場と接点を持つ機会になればと思います。そういうことも我々のミッションの一つだと思います。
Tad 例えば企業の上場という場面を考えてみると、企業に対しては上場に向けてのサービスをいろんな形で提供されていて、なおかつ個人には資産形成の一つの形としていろんなサービスを提供されています。いろんなお客様を迎えていらっしゃるということですか?
西丸 左様でございます。
原田 具体的にどのようなサポートをしていらっしゃるんですか?
西丸 上場したいといってもすぐに上場できるわけではありません。会社側の内容といいますか、いろいろな規定もありますから、上場までの過程というのは短くても2年から3年はかかるんです。ですから、内部統制的といいますか、いろいろな面から企業経営に参画すると言うと大袈裟ではありますが、いろいろなお話を聞いたり、経営者の方々に寄り添いながら準備をしたりしていくと、時間がかかってくるというわけなんです。
原田 そうなんですね。
Tad 「上場企業に求められるのはこういうことなんですよ」ということを、『野村證券』がいろんな選択肢の中からアドバイスされたりしているんですね。
原田 上場したらそれで終わりということではなくて、また新たなスタートになるわけですよね。
西丸 やはり企業にとっては上場する前よりも上場した後のほうが重要になってきます。一緒に成長に向けての施策を考えていくということが我々のミッションになってきます。
Tad 実際に企業の経営の仕方も変わってくるものなんですか?
西丸 上場することによって経営陣の方々の意識が変わるだけでなく、そこに勤めていらっしゃる社員の方々の意識も変わってまいりますので、本当に変わっていく、発展していくいい機会になると思います。
Tad 個人の方々に向けたサービスも、ただ株の売買をするというだけではなくて、遺言信託というキーワードもありましたし、ほかにも積み立てなど幅広いことをされているわけですが、実際にお客様に対してはどのように向き合われているのですか?
西丸 昔の証券会社のイメージですと、決まった商品をいかに買ってもらえるかということが一つのスタンスだったかもしれません。しかし現代になってきますと年代も、家族構成も違えば、将来に対する価値観も違うというところで、そういった方々に合う商品というのは直接会って聞いてみないとわからない部分も大いにありますので、当社の場合はネット証券とは違いまして対面でさせていただくのがメインです。商品選びというのは、そういった点でお客様と対面でお会いして、お客様の潜在的なニーズも含めてお話をさせていただくというところから始まっていくんです。
Tad 今「アプリで株を買えますよ」というものなどがありますが、そういう時代だからこそ対面の良さを追求していく感じですよね。
西丸 そうですね。いろんな取引を進めていくためには、ネット証券を否定するわけではありませんが、世代を継承していく中で、ご家族全体で我々も教えていただくというところで、繋がりを長く持たせていただくのは、対面だからこそのビジネスのあり方なのではないかなと考えております。
Tad 実際にお客さんと対面していなければわからなかったようなニーズも、あったりするものなんですか?
西丸 お金のことがメインになりますので、最初からすべてを教えていただくというふうにはなかなか至らないんですが、時間をかけてお客様の趣味の話や、お客様の好きな話なんかも聞かせていただきながら、徐々にだんだんと本音で、本当に悩んでいることを語るようになってくださるものなので、時間はかかってしまうんですけれども、やはり対面だからこそ、そういう機会が生まれるのかなって思いますね。
Tad お客様自身も気がついてなかったような解決策というのがあったりするものなんですかね。
原田 確かにアプリやネットだと便利なんですが、ちょっとストレスが溜まることもあります。あまりうまくいかなかったり、対面でないとできない部分があったりすることもありそうですよね。
西丸 そうですね。お客様が悩んでいらっしゃることを言葉にして話していただいたり、たまには愚痴になったりすることもありますが、それも大切なお話の一つとして、我々としてはその方を知る上での本当に貴重な情報の一つであると感じています。いろいろと教えていただいて、長いお付き合いをしていく上ではどのような人かっていうのをありとあらゆる側面から教えていただく機会というのは、対面ならではという気がします。
Tad 『野村證券』は「組織で営業をする」というイメージがあるんですが、根底にあるのは、お客様のことをいろんな側面から知ろうということなのかもしれませんね。
原田 なるほど。そういうことを話してもらうには聞き方や雰囲気はとても大事ですよね。
西丸 やっぱり人間ですから、生理的に好き・嫌い、合う・合わないっていうのはあります。どうやったらお客様に安心して声をかけていただけて、話していただけるのかというところ、これはもう本当に我々の永遠のテーマです。知識・教養を高めたからと言ってお客様から信頼されるというわけではありませんので。本当に日夜、非常にアナログではあるんですが、何を求めていったらいいのかを追求し続けているところです。
Tad ご自身のご経験から「お客様の信頼を掴んだぞ」という瞬間について、ぜひ教えてください。
西丸 セールス時代にたくさん転勤をしていますが、「異動するな、お前はここにいてくれ」とお客様に言われる時が一番うれしかったですね。「ああ、気持ちは一緒なんだ」という。お客様に信頼をしていただいたという証なのかなと思います。もちろん転勤しないで働いている社員も中にはいますので、「君にあとは任せたよ」ですとか、そういうことを言われるのはやっぱりありがたいと思いますよね。

ゲストが選んだ今回の一曲

松田聖子

「旅立ちはフリージア」

「ちょうど金沢に参りましたのが2020年3月のコロナ禍に入ったばかりという時だったんですが、東京から異動になって新幹線の中でこの曲を聴いたときに金沢の街並みが目に入ってきたところだったんです。この曲の歌詞が、金沢の街のイメージにぴったりだと思いました。そんなふうに聴いていただくと非常にいいんじゃないかなと思います」

トークを終えてAfter talk

Tad 今回はゲストに『野村証券』金沢支店長、西丸 禎文さんをお迎えしましたけれども、いかがでしたか?
原田 西丸さんは12回も転勤なさっているということで、いろんな土地で一体何人くらいの方と対面されてお話されてきたんだろう、と思いました。そのご経験があるからこそ、西丸さんの醸し出す信頼感に繋がっているんだろうなと思いました。
Tad 今回は個人のお客様向けのお仕事と企業向けのお仕事について、両方うかがいました。お聞きできてすごくよかったと思うのは、ネットやアプリが便利な時代でもしっかりと対面営業を重視されているという点です。「資産についてお悩みやお困りごとはありませんか」といきなり聞いても、答えてくれるわけがありませんものね。
原田 そうですね、いきなりですとね。
Tad お客様から信頼していただけるように、家族構成や趣味など、お客様の人となりを多面的に調べる中でお客様の過去・現在・未来に寄り添うためのヒントと信頼の両方を得ているんだなと思いましたし、「お客様作りの根底にはお客様への共感あり」というのは、わたしもすごく勉強になりました。

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