前編

ライフスタイルに沿った最適な車を提案する。

第54回放送

キスモ株式会社 代表取締役社長

林 泰三さん

Profile

はやし・たいぞう/1983年、石川県金沢市生まれ。2007年より、参議院議員岡田直樹事務所に勤務。2014年、『キスモ株式会社』(1994年創業。石川県金沢市西泉。車に関わること全般、および高齢者サポート事業を展開)に入社。2020年7月、代表取締役社長に就任。

キスモ株式会社Webサイト

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Tad 今回のゲストは『キスモ株式会社』代表取締役社長、林 泰三さんです。『キスモ株式会社』は自動車に関わること全般の業務をなさっているということですが、具体的にはどんな業務になりますか?
新車、中古車の販売、それに加えて法人向けと個人向けのリースをさせていただいております。また、車検、修理、鈑金塗装、自動車保険、生命保険もやっています。さらにロードサービス。これはレスキューといった方がよいでしょうか。車が動かなくなった時や事故にあった時にお客様を助けに行きます。さらに、レンタカー。そういった、自動車に関わることを全般的に担当させていただいております。
Tad 本当に幅広いですね。
車を買っていただいてからずっと、乗り始めから乗り終わりまでご用命いただけるとうれしいですね。
原田 『キスモ』ってユニークな名前だと思うんですが、どんな意味があるんですか?
「KISMO」と書きまして、「K」が金沢、「I」がインターナショナル、「S」がサービス、「MO」がモータースを意味します。創業した父は、金沢が大好きなんですね。それで金沢の「K」をいただいて、インターナショナルは、輸入車を扱いたいという気持ちもあるんですが、「国際的な仕事をしたい」という思いも最初はあったんだと思います。「サービス」というのは奉仕という意味合いが強いですね。社会に対して奉仕したい、金沢のために奉仕したいという思いが強いです。もちろん車に関わることで、という意味で「KISMO(キスモ)」と名付けた、というふうに聞いております。
金沢市西泉にある『キスモ株式会社』。自動車にまつわるあらゆるサービスを提供している。
Tad なるほど。創業時の事業は、車の販売だったのでしょうか?
販売をメインにスタートしたと聞いています。
Tad 輸入車も取り扱われて、それがインターナショナルの「I」にも表れていると。
原田 お父様が興された会社ですよね。
そうですね。父は家業として始めましたが、祖父も何十年も前に車屋をしていまして、私は『キスモ株式会社』としては二代目になりますが、車屋としては三代目ということになりますね。
Tad 自然な形で車に関わられたということですか?
私は3番目に生まれて、自由に生きてきたという感じです。あるタイミングで、父から帰って来いと言われて家業へ戻ってきたんですが、最初は車のことも全然知らなかったんです。ですから最初は工場に行って、車を学ぶところからスタートしました。
Tad ある意味、新鮮な目で見られたわけですが、その時はどんなふうに見えましたか?
大変だなと思いました。というのは、事業紹介でロードサービスの話をさせていただきましたが、我が社は24時間365日稼働しているんです。ということは、誰かしらずっと会社にいるということです。今は夜勤者の交代制をとっていますが、昔のロードサービスは、枕元に電話を置いて、電話が鳴ったら飛び起きていたと聞いています。それに専門性が高い仕事ですし、会社に入ってみて簡単じゃないなとすごく思いました。専門性が高いからこそお客様に正確な情報をお伝えしなければならないと感じました。
万が一のトラブルが起こった時も24時間365日サポートする同社のロードサービス。
Tad 正しい情報というのは、どういうことですか?
お客様が修理に来られた時は、なぜ壊れたのか、どこが壊れたのかということを突き止めるのが難しいんですね。原因がわからないということは、往々にしてあります。それをいかにお客様に納得していただいてお乗りいただくかということもすごく大事なんですね。100%直せるかと聞かれると、直せないものもいっぱいあると思うんです。かといって、お客様にとっては大事な車なので、長く乗っていただけることをご提案しないといけない。誠心誠意お伝えしないと、お客様には納得していただけないんじゃないかなと思いますね。
お客様の安心のためにメカニックスタッフは専門の技術教育を受け、技術力を極めている。
原田 そうですね、車に詳しい人もそうでない人もいらっしゃるかと思うんですが、例えば私は本当に車の素人で、車を買いたいんだけど何を買ったらいいかわからない状態です。そんな場合にはいろいろなやり方があると思うんですが、どういったことをお客様にお聞きするんですか?
生活環境が大事なのかなと思います。家庭環境とでもいいますか、独身なのかご家族がいるのか、どういった場面で車が必要なのか、そのあたりを明確に把握できないと、ベストなご提案ってできないと思うんですよね。その人にとっても安い買い物ではないですから、やはり「これにしてよかった」と実感して、乗っていただきたいなと思いますし、そのためにはお話を聞いてみないとわからないですね。
原田 いろんなメーカーの車を取り扱っていらっしゃるということですよね。
そうですね。取り扱えない車の方が少ないんじゃないかなと思います。
原田 そうなんですか。ディーラーさんに行くとそのメーカーの車を、ということになりますが、『キスモ』さんだったら最適な一台を選ぶことができるということですよね?
例えば車を乗り比べたいなと思ったときに、2店舗行かなきゃいけないっていうのがありますよね。
原田 そうですね、店舗をはしごして、店舗も遠かったりすると「はぁ…じゃあ、あっち行ってこっち行って…」と(笑)。
だから車屋さんは比較しながら回りやすいように集まっているんじゃないかなと思いますね。当社ですと、試乗車2台・3台並べて、各メーカーのメリット・デメリットをお話しして、お客様に選んでいただくっていうことができるかなと思いますね。
原田 そういう意味では、その人にカスタマイズされた、その人に合った一台を提案するっていうのが大切なことなんでしょうね。
そうですね。
Tad お客様は好きな車種を目掛けていらっしゃったり、現在流行っている車種をお求めになったりすることが多いんですか?
そうですね。ですが「やっぱりこっちよりもあっちのほうが合っているんじゃないですか?」という提案はさせていただくことはあります。例えばお子さんが生まれたら、そのあと何年間かはチャイルドシートが必要だったり、いろんなことを考えると、「スライドドアの車はいかがですか?」と提案したりしますね。だからすごく、私生活に踏み込むというかある程度、お客様のライフスタイルを知る必要はあるかなと思いますね。
原田 そういう意味ではコミュニケーションが大事ですよね。
そうですね、そうした関係性からいい提案ができるような気はしますね。
Tad 先ほど、乗り始めから乗り終わりまでというふうにおっしゃいましたが、車って、人生の中で何台か乗り変えていくものだと思います。ライフステージの変化に応じて、最適な車も違うんですか?
はい。やはり免許を取ったばかりの時は、そんなに大きな車はいらないと思いますし、でも、趣味で山に行くとかスキーに行くとなると、少し大きい車もいいのかなって思いますね。家族ができて子どもが生まれて、となると大きな車も必要になりますし、子どもが自立すると、そこまで大きな車はいらなくなっていくと。さらには趣味のセカンドカーも欲しいなという気持ちになる可能性もありますよね。
押しつけがましい提案はしたくないですが、生活する空間を滞在時間の長さで考えると、まず家、そして会社に次いで長いのが車なのではないかと思うんです。お客様に「嫌な環境だな」と思いながら過ごしてほしくないですし、家も会社も楽しいし、その移動の車の中もいい環境だな、と思っていただけるのが嬉しいなと思いますね。
原田 なるほど。そういう意味では、いい1台を選んで、お客様に「よかったよ」って言ってもらえることは、やっぱり嬉しいですよね。
そのために仕事をしているんじゃないかなっていうくらいですね。
原田 今ちょうど先進技術も搭載されてきて、車も変わりつつあるところだと思うんですが、ご提案の仕方というのは時代に応じて変わっているんですか?
業界が急速に変化しているので、提案も多岐に渡って、難しい面も出てきていますね。だからその分しっかり勉強しないと、「乗ってよかった!」と思っていただけるような1台というのは、なかなかご提案できなくなってきつつあるのかなと思いますね。
Tad たしかに消費者側から見ても、同じような機能のレーダーやセンサーが増えているんだけど、A社とB社に搭載されているものは微妙に仕様が違っていたりしますから、そのあたりの理解って消費者側にはなかなかないですよね。
自動追尾機能も、0キロから動作するものもあるんですが、20キロからしか反応しないものもあったり、40キロからしか反応しないものもあったりするんですね。そこをちゃんと説明しないと、ただ追尾するというだけって思っている方もいらっしゃると思うんです。そうした違いの説明をしてご納得いただけるかということはすごく難しいですね。
Tad ご提案の幅と密度が高まっていますもんね。
本当にその通りだと思います。

ゲストが選んだ今回の一曲

加山雄三

「海 その愛」

「自分でもこの曲を選んでいいのかなとは思ったんですけれども、この曲は私が生まれて初めて覚えた曲なんです。3歳の頃だったかな。父が加山雄三さんのことを大好きで、家ではレコードで加山雄三さんの曲ばかり流れていました」

トークを終えてAfter talk

Tad 今回はゲストに『キスモ株式会社』代表取締役社長、林 泰三さんをお迎えしましたけれども、いかがでしたか、原田さん。
原田 車というのは本当に大きな買い物で、家族全体に関わるものであり、しかも大切な命を乗せるものですから、それをトータルで支えるっていうのはやはり責任の大きなお仕事をなさっているんだなっていうのを感じましたね。Mitaniさんは、いかがでしたか。
Tad 林さんが当初、「大変だな…」と思われたという話が印象的でしたが、メーカーを超えたご提案というのは、カーディーラーではできないようなことなのかなと思います。それもご本人やご家族の状況まで踏まえたうえで最適な1台をご提案するということですし、メーカーごとに最新の設備や装備も違ってくるでしょうから、そういった部分もしっかりお伝えするということ、車の乗り始めから乗り終わりまで、車のトータルサポートを通じてお客様に信頼していただけるからこそ、こういう事業ができているっていうこと自体が、『キスモ』という優れたビジネスモデルなのだなと感じました。

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