後編

金沢へ拠点を移し、金沢発の事業を展開。

第24回放送

株式会社SOOL 代表取締役CEO

深澤祐馬さん

Profile

ふかさわ・ゆうま/早稲田大学理工学部卒業後、『株式会社リクルートコスモス(現:株式会社コスモスイニシア)』に入社。その後2社のベンチャー企業取締役を経て、2009年、『株式会社SOOL』を設立。代表取締役に就任。採用やリーダーシップ開発、コミュニケーション開発のプロとしてコンサルティング事業を手掛ける傍ら、2014年、ダイレクトリクルーティングサービスを一部上場会社に事業譲渡。これまで10,000人超もの経営幹部向けにダイアローグ、コーチング、キャリアアドバイスなど、対話形式により人が持つ強みを発掘し、「気づきの支援」を行ってきた。『株式会社ビジネス・ブレークスルー』講師、『NPO法人文化都市金沢構想』顧問、『情報経営イノベーション専門職大学』の客員教授なども務める。

Tad いくつも会社を立ち上げては、また売却をしたり事業譲渡をしたりしながら次の事業を起こすということを何度もやる人のことをシリアルアントレプレナーと言いますが、今回のゲストは、前回に引き続きまして『SOOL』代表取締役CEO、シリアルアントレプレナーの深澤 祐馬さんです。
深澤 よろしくお願いいたします。
川瀬 こんにちは。今回も原田さんに代わりまして、川瀬裕子が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。深澤さんは、2020年1月に『SOOL BEAUTY』を立ち上げられ、ドクターズコスメの開発も進めていらっしゃいますね。
Tad 『SOOL BEAUTY』のことを今回は深掘りしていきたいところなんですが、前回の放送では学生スカウト型の採用サービス「iroots」を立ち上げて成功させた後に、『エン・ジャパン』に売却されたというところまでうかがいました。その後に深澤さんは金沢にいらっしゃったんですよね。
深澤 はい、売却した後に金沢に引っ越してきました。
Tad なぜ金沢にいらっしゃったんですか?
深澤 実は私の妻が金沢出身でして、地元で今、開業医をしています。皮膚科医なんですが、その縁があって来ました。子どもが3人いまして、長男がちょうど小学校に入るタイミングだったので、その点も非常に良かったんです。子どもを育てるには東京より田舎でのびのびと…と思って来てみたら、思ったより田舎ではなかったのですが(笑)。そんなご縁があって思い切って金沢に引っ越してきました。
Tad 事業を売却されて、ある種身軽になったところに、奥様のご実家が金沢で、もうそっちへ行ってしまおうと。勢いですね。
深澤 はい。もちろんそれまでにも何回か来ていて、空気もきれいで、ご飯はおいしいし、人もあたたかくて、私はずっと都市圏で育ってきたので、金沢のような環境に憧れがあり、夢を持ってやってきました。金沢はとてもいいところですよ、本当に。4年経ちますが、大好きな場所になりました。
Tad それはよかったです。金沢に来られて3年くらいの間は、お仕事はされていたんですか?
深澤 売却した直後は学び直しとして、ニューヨークに行きました。英語の勉強を兼ねて留学して、2016年2月の帰国と同時に金沢に来ました。それから1年間は仕事をしていません。「専業主夫」と言いますか、「パパ業」を頑張っていました。それまでベンチャー経営と留学で、家族にも負担をかけましたし、家族に対する恩返しも込めてといったところでしょうか。
Tad なるほど。それで金沢にいよいよ本拠地を移されたんですね。
深澤 はい、金沢に本拠地を移してその翌年から事業を再開、当初は東京を行ったり来たりしながら顧問業なんかをやっていたんですが、その間地元でできる事業を模索し続けてきたんです。
Tad そういうことだったんですね。それで今年(2020年)1月に作られた会社が、この『SOOL BEAUTY』であると。これはどういう会社なんでしょうか?
深澤 ドクターズコスメの開発、販売をする会社として作りました。
川瀬 金沢発のドクターズコスメになるわけですね。
深澤 そうです。金沢から全国へと発信するということを目指してスタートしたばかりです。
『SOOL BEAUTY』のピーリングソープと保湿ゲルクリーム。
Tad ドクターズコスメと言いますと、どういうものになるのでしょうか?
深澤 まず第一弾として企画しているのが、いわゆるデリケートゾーン向けの黒ずみケア商品です。ピーリング石鹸とゲルクリーム、この2つです。先ほどお伝えしたように私の妻は皮膚科医でして、美容皮膚科医としても頑張っていますので、私の経験と妻の専門性を合わせた商品を開発しました。金沢発の商品を通じて、金沢を世の中にもっと知ってもらいたい、そんな思いも込めてこの世界に参入したんです。
川瀬 奥様がいらっしゃる金沢に来なければ、このドクターズコスメには繋がらなかったかもしれないですね。
深澤 そうですね、妻には感謝しています。ようやくここで恩返しができるかなという思いも持っています。
Tad ちなみに、どういった部分に着目されて商品展開していらっしゃるんでしょうか?
深澤 ポイントは「デリケートゾーン向けの黒ずみケア用のコスメ」ということになります。クリニックにいらっしゃる患者さんの中でも、この手の悩みは複数回足を運ばないとなかなか相談できないものですし、相談できたとしても中々商品を買うところまではいかないものです。つまり、患者さんとしては誰かに相談するんじゃなくて「こっそり買いたい」わけですよね。そういうこともありますから、今回はネットで直接購入できるような販売方法にする予定です。
川瀬 店舗での販売はないということですね。
深澤 店舗ではないですね。ただ実際にクリニックがありますので、そこでは取り扱います。
Tad なるほど。Web販売との相性はすごくいいものですよね。
深澤 そうですね。あとはポストインできるようなサイズにもこだわりました。最近は忙しく働いていらっしゃる女性の方が多いですから、ポストに入れて届けることができるものをと。お客様のことをできる限り考えて進めています。
川瀬 このドクターズコスメの販売はいつ頃を予定されているんですか?
深澤 現在企画中ですが、今年の夏頃には皆さんがお手元に届けられる段階まで行けるんじゃないかなと思っています(註:2021年現在、販売中 5001.pro)。
Tad 『SOOL BEAUTY』としても全国に向けて、日本のいろんなユーザーに使ってもらいたいでしょうし、また深澤さんは『SOOL』としての活動も継続されています。東京と行き来されながらだとは思いますが、メインの拠点を金沢に今後も置き続けるご予定ですか?
深澤 はい、金沢を拠点にしたいと思っています。よく「働き方改革」などと言われてますが、私はリモートワークが果たして成り立つのか?という疑問に対する解を作るためにここにいます。やはり人事分野で事業をしてきたからこそ自らが背中を見せなきゃと思っているのですが、結論から言うと、リモート環境が充実してきましたので、十分できると確信しています。今後は金沢を拠点にしながら、これまで東京に足を運んでいた事業もここ金沢でやっていくことになると思います。
最近は東京に行くと「金沢でもリモートができるよ」と言いますし、都会は確かに便利ですがリビングコストも高いですし、ゆとりのあるここ金沢で仕事をするほうが精神的にもいいんだよと宣伝して歩きまわってます。都内の経営者を定期的に金沢に呼んで、金沢の魅力を知ってもらって、一人でも多くの人や企業を金沢に誘致できたら嬉しいですよね。そんな活動もしていたりします。
金沢市に拠点を構える自社ビル「SOOL ビルディング」。
Tad なるほど。その言葉が響く経営者さんも多いんですか?
深澤 多いと思います。先日もご一緒していたある上場会社のオーナーさんは、こういう話を聞いて「今、地方に別荘を探している」と言っていましたから。子どもも生まれて「やっぱり住むのは都会じゃないよね」と。地方で少しでも自然に触れられる場所を探しているとおっしゃっていましたので、「ぜひ金沢へ」とお伝えしておきました。
Tad 東京で事業をされていても、あるいは東京に企業のお客様がいたり、日本全国にユーザーが分散していたりしても、金沢で十分経営ができる時代になってきている、そういうことなんですかね。
深澤 十分できるんじゃないでしょうか。リモートだけでも十分成り立ちますよね。移動するにしても東京だけじゃなくて、福岡も大阪も、飛行機も新幹線も通っていますから、金沢は立地としても便利です。こうした働き方はもちろん職種にもよりますが、今後多くの仕事がリモートでできるんじゃないかと私は確信しています。
Tad 深澤さん自身は、具体的にはどんなふうにリモートで仕事をなさるんですか?
深澤 例えばコンサルティングの場面や、ダイアローグ、対面コーチングの場面などはSkype、Zoomなどのオンラインのサービスを使います。もちろん東京もそうですが、去年一番多かったのが、東南アジア諸国の日系企業の現地社長さん達です。これをずっと金沢で行ってきました。
Tad 金沢からテレビ会議みたいなものを通じて東南アジアの日系企業の社長さんたちにレクチャーされるわけですね。
深澤 レクチャーというよりも1対1の対話を通じて、経営上の悩みや社長ご自身の行動分析などを行っています。それと直接お会いした時の臨場感も大事なのですが、オンラインの方が効果的だったりもします。例えばTadさんの行動分析をする場合は、その表情や仕草にフォーカスする必要があるため効果的なんです。直接お会いすると、周りの風景や雑音が飛び込んできますので、お互い集中力散漫になることもあります。実際にお会いすると90分ぐらいかかるダイアローグが、1時間でより深く分析できてしまうことがよくあるため、できればオンラインがいいのではと思っていたりします。
Tad 今回、ここには間違いなく生身の深澤さんに来ていただいていますが、そういう対話ですらリモートで、インターネットを介して、そちらの方がむしろ効率がいいと。
深澤 目的が明確な場合は効率がいいです。ただフラットにコミュニケーションして関係性の質を高めていくような場面においてはにはもちろん、実際にお会いした方がいいと思います。
Tad すごいですね。未来の働き方のように感じました。

ゲストが選んだ今回の一曲

King Gnu

「白日」

「前回のSEKAI NO OWARIの『Dragon Night』に引き続き、こちらは娘が好きな曲でして、たまたま今回ラジオに出演するんだと話して、どんな曲が聞きたいか娘に聞いたところ、漢字でこの曲だと書いて見せてくれました。なるべく家族との対話を重視していますので、娘の思いをこのラジオで聞かせてあげたいなと思い、選曲しました」

トークを終えてAfter talk

Tad 今回も前回に引き続き、『SOOL』代表取締役CEOの深澤 祐馬さんをお迎えしましたけれども、いかがでしたか、川瀬さん。
川瀬 番組の冒頭でMitaniさんが「シリアルアントレプレナー」という連続して起業し続ける人がいるとおっしゃられていましたが、深澤さんはまさにそんな方だと思いました。Mitaniさんは、どのように感じられました?
Tad 奥様が皮膚科の開業医をされているという話からドクターズコスメの開発に乗り出すというお話がありましたよね。皮膚科に来院される患者さんのお悩みやツボを心得たような販売形態を考えていらっしゃるということでしたが、シリアルアントレプレナーの方というのはきっと、四六時中、あらゆる物事が課題解決の題材に見えてくるのではないかと、そんなふうに思いました。これからも住みやすい金沢を舞台に、金沢発の事業展開をしていってほしいと思います。

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